佐藤園子ピアノリサイタル 〜2011〜 2011年10月21日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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♪ ベートーヴェン ソナタ Op.27 cis-mol 「月光」 |
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作品27の1ではじめて見られたベートーヴェンの構成上の新しい考え、すなわち後期にしばしば表れる全曲の重心を終楽章におく楽章配列は、このソナタで見事な成果を示しています。しかも第1楽章を前奏曲風にして、そこで採用しなかったソナタ形式をフィナーレに置くことで作品のスケール感を広げています。 |
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♪ ベートーヴェン ソナタ Op.101 A-dur |
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ベートーヴェンが創作活動の後期に入ったのは1815年頃とされ、まずOp.102の2曲のチェロソナタが書かれ、続いて1816年の晩秋にこのピアノソナタが書き上げられました。この3曲にはいくつかの共通点があり、構成がかなり自由になってきて幻想的な雰囲気を漂わせています。しかも内省的で深みのある表現を志向しはじめていて、40代半ばのべートーヴェンは新しい道を求めつつありました。 ・第1楽章<やや生き生きと、もっとも内的な感情を込めて> 第1主題の旋律は上昇と下降をくり返しています。冒頭左手の4度下に下降してくる半音階は、バロック時代にキリストの十字架をめぐる意味で用いられたラメント(嘆き)のモチーフです。 ・第2楽章<生き生きと、行進曲風のデンポで> 1楽章とは対照的な行進曲風で確固とした性格ですが、中間部で一転して静かなカノンが現れます。 ・第3楽章<遅く、憧れを持って> カデンツをはさんで第1楽章の主題が回帰してきます。テンポを速めプレスト、次いでアレグロ<動きのあるテンポで、しかもあまり速すぎず決然と>と表示されていて、ソナタ形式とフーガが並ぶ構造をとっています。 第1楽章で表れた「ミサ」の「ベネディクトゥス」の旋律はこの第3楽章に挿入されています。 同じ主題がくり返し再考される開放循環形式で全楽章が統一されることをこのピアノソナタで試みています。 |
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♪ リスト コンソレーション (慰め) Nr.3 |
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技術的な難曲を数多く作曲したリストの作品の中で、華麗な技巧がほとんど前面に出ていない内面的抒情的小品です。 |
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♪ クライスラー=ラフマニノフ 愛の喜び/愛の悲しみ |
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クライスラー作曲のヴァイオリン曲で親しみやすいメロディが人気の2曲に、ラフマニノフらしい編曲がほどこされています。 |
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♪ ショパン ノクターン Nr.16 cis-moll |
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1830年にウィーンからショパンの姉に走り書きで送られたものですが、現在では夜想曲として広く知られています。 |
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♪ ショパン アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22 |
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「スピアナート」という語は、イタリア語で「なめらか」という意味で、左手の16分音符の上に非常に優美な旋律がうたわれており、演奏効果の高いポロネーズが続きます。 |
佐藤園子ピアノリサイタル 〜2012〜 20周年記念盤 2012年10月19日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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<プログラム解説> |
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♪ ハイドン ヴァリエーション f-moll |
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この変奏曲は、モーツァルトの死後書かれたもので、その影響がかなり残されています。テーマに出てくる符点のリズム(タッタタ)はドイツ語でリーベゴット(愛する神様)と同じアクセントを持ち、その意味を含んだシンボルで、祈りを込めた悲しみをたたえています。 |
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♪ ショパン スケルツォ |
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もともと16cの頃にはおどけた内容を持つ軽い小品にこの言葉がつけられていました。しかし、ハイドンの作品等にその先例が見られ、ベートーヴェンの創意工夫、肉づけによってこの「スケルツォ」がトリオを持つ三部形式のユニークなものに変わっていきます。ショパンはスケルツォを4曲作っています。従来の作曲家たちの業績をしっかり踏まえながら、強烈な個性を持つものとして独立させ、全く新しい世界を開拓しました。それによってもとの要素は後退し、リズム的性格を残しながらも暗く緊迫したドラマティックな内容を大胆に持ち込み、スケール感を与えた意欲的なペンで書き上げています。 ・No.1 Op.20 h-moll 3拍子のプレスト コン フォコに左手は強いアクセントを持った2拍子型のリズムをはめ、その上を分散和音がかけまわります。中間部はくっきりとした対照をつけた素材でゆったりとした旋律が歌われます。これはポーランド民謡(子守歌 幼な子 イエス)によるものですが、突然不協和音でやぶられた後、再起していきます。 ・No.2 Op.31 b-moll 4つのスケルツォのうちで最もよく知られ演奏されています。上昇する神秘的な弱音の3連符と対比する激しく爆発するような応答楽想が印象的です。第2楽想は分散和音に乗って甘美な旋律が歌われます。次に表われるコラール風のソステヌート楽想に導かれた表情をたたえた旋律は平坦にリズムと一体化していき、感情は高揚させられます。ショパン的転調が随所に見られ、作品に深みと大きさを与えています。 |
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♪ ショパン ノクターン Op.9 No.1 b-moll |
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シンプルな左手の分散和音の上に、愁いをおびた旋律が流れます。中間部で優美なオクターヴの旋律が表われ、和声的にも多彩さに富んでいます。 |
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♪ ラフマニノフ 前奏曲 Op.23 |
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・No.6 Es-dur |
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♪ ベートーヴェン ソナタ Op.57 f-moll 「熱情」 |
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この頃、パリのエラール社からベートーヴェンに送られた最新性のピアノは当時としては信じられない広い音域を持ち、ペダルダンパーを備えていたので、作品は必然的にダイナミックレンジを大幅に拡大し、思い切った低音と高音の使用による、音色的多彩さを追求するようになりました。この作品はベートーヴェンの創作意欲が燃え盛った時期のピアノ音楽の最も重要な傑作として称えられ、ソナタ芸術の頂点ともいわれています。大きな感情を支えるためには、より精密な構造と大胆な形式が必要となり、その感情と知性の見事な均衡を持った作品です。 |
佐藤園子ピアノリサイタル 〜2013〜 2013年10月25日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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<プログラム解説> |
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♪ モーツァルト ソナタ kv331 (300i) (トルコ行進曲つき) A-dur |
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♪ ショパン ワルツ Op.64 No.2 cis-moll |
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思いつめた表情の旋律から速度を速めた孤独な魂の踊りへ移行し、これら2つを主部とする三部形式です。中間部は深い情感をたたえてうたわれ、ショパンらしいワルツの傑作です。 |
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♪ ショパン ワルツ Op.(post) e-moll |
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独特の激情がほとばしる華麗なワルツです。中間部では柔らかな旋律にうつり、コーダもドラマティックです。 |
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♪ ショパン マズルカ Op.50 No.3 cis-moll |
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望郷の念を込めた旋律が声部を変えて絡み合いくり返します。第2楽想は決然たる語調で奏され、また最初のモチーフに戻り、なだらかな旋律で再びもとの楽想に帰ります。転調による発展部の後、冒頭楽想をふくらませて終結へと巧みにまとまめられ、一篇の叙情詩のような長大で独特のマズルカです。 |
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♪ ショパン 舟歌 Op.60 |
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「舟歌」とはバルカローレを訳した言葉です。もとはイタリアの水の都ベニスの運河を渡るゴンドラの船頭たちが舟こぎの時にうたっていた歌から派生してきたといわれています。ふつうは8分の6で、波に揺られる舟の動きをあらわすリズムを伴奏に用いていて、多くの作曲家がバルカローレを手掛けています。ショパンのバルカローレは8分の12でそのリズムを借りながら、内容は船頭らの陽気な舟歌というものではなく、いかにもショパンの晩年らしく、構成はきわめて精密です。和声の内省的な美しさに満たされながら、旋律は手のこんだ発展を見せてコーダを迎えます。即興的でありながら基礎の堅固な造形で、ピアニスティックな傑作として親しまれています。 |
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♪ ムソグルスキー 組曲<展覧会の絵> |
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展覧会の絵はそれぞれに標題を持つ10曲の小品と、その間に挿まれた間奏曲(プロムナード)からなっています。これはムソグルスキーが展覧会の絵から絵へ移動することを示すだけでなく、「展覧会の絵」という作品全体を効果的な鎖で結びつけることにも成功しています。ムソグルスキーは、これらのプロムナードのそれぞれには自分の様々な表情が写っていると言っていたそうです。この作品が、親友ヴィクトル・ハルトマンへの追悼を込めて作曲されたことはよく知られています。ハルトマンは1860年代のロシア美術界での新しい動きの旗手となった建築家であり画家でしたが、1873年、30を過ぎたばかりの若さで世を去りました。 |
佐藤園子ピアノリサイタル 〜2014〜 2014年10月17日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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<プログラム解説> |
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♪ モーツァルト ロンド kv511 a-moll |
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・物思いにふける様な寂しげな情感に満たされています。ゆったりとしたシチリアーノ風付点リズムで進められ、ロンドのテーマが再現されるごとに感情を盛り上げる入念な装飾と変奏がほどこされています。 |
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♪ モーツァルト ソナタ kv330(300h) C-dur |
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古典的端正さとフランス風ギャラントな性格、明るく愛らしい外形の中に充実した音の坐りとピアニズムの巧みさを持つ、モーツァルトの代表作の1つです。 ・第1楽章 Allegro moderato 第1主題に盛られた工夫が伸びやかで精微な魅力となり、その後生気を持って上昇する分散和音がつづきます。ニュアンスの違うパッセージを巧みに重ねて華やかに織りなしてゆきます。 ・第2楽章 Andante cantabile 平和で美しい旋律を持った主部と、ヘ短調の中間部から成る三部形式です。簡素な中にニュアンスのある陰影がつくられ、モーツァルト独特の世界と宇宙観が表れています。 ・第3楽章 Allegretto 軽快で弾むようなロンド形式で、2つの主題の反復にきめ細やかな変奏がされています。 |
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♪ ベートーヴェン ソナタ op.90 e-moll |
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・第1楽章 Mit Lebhaftigkeit und durchaus mit Empfindung und Ausdruck |
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♪ メンデルスゾーン (無言歌集)より 「ヴェネツィアの舟歌」 Op.30 Nr.6/Op.62 Nr.5/Op.19 Nr.6 |
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言葉の無い歌曲集全48曲の中で「ヴェネツィアの舟歌」と名付けられた作品が3曲あります。イタリア、ベニスの波間に揺れるゴンドラの動きを表現するためにいずれも6拍子をとっていて、悲歌風な趣きのあるものです。 |
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♪ シューマン カーニバル Op.9 |
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シューマンの作品には創作の根源に文学的でユニークな発想を持つものがあり、文学か音楽の道かと選択に悩んだ時期もあった程の彼の素養の豊かさを表しています。これは、シューマンの空想による理想の音楽を求める団体(ダヴィット同盟)のメンバーである様々な登場人物とキャラクター達によってカーニヴァルが展開され、最後にはその同盟員がそろって、俗悪なる音楽の擁護者フィリステン達を討つべく行進をはじめるという筋書きでつくられた組曲形式のものです。 |
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佐藤園子ピアノリサイタル 〜2015〜 2015年9月25日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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<プログラム解説> |
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♪ ショパン ワルツ |
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ショパンは1810年にポーランドのワルシャワに生まれ、39才の時にパリでこの世を去りました。その短い生涯の間で200曲以上ものピアノ曲を書き「ピアノの詩人」といわれています。 |
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♪ ショパン バラード 第1番 ト短調 op.23 |
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文学上の用語、バラードは、叙事詩と叙情詩に加えて物語性を持たせた詩のことで、それに音楽をつけることは古くからおこなわれてきました。ピアノ曲として真の存在を与え、この分野を開拓したショパンによって、バラードは永遠の意味を持つことが出来る様になったといわれ、全4曲の作品がつくられています。この第1番の静謐で郷愁に満ちた8分の6拍子の主題のはじまりは、印象的で物語風な悲哀をもたらします。第2主題で、これは魔法を解かれたかのように開かれて、朗々としたものとなっていきます。再現部では両主題は入れ替わって、内的葛藤と疾風のごとく駆け巡る音階を経て、終結部では炸裂する情熱が現れてきます。 |
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♪ ショパン ポロネーズ 第3番 イ長調 op.40-1 <軍隊> |
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ポロネーズはポーランドを代表する3拍子の民族舞曲です。ポーランド宮廷の行列行進や儀式で演奏されたものが、国民の間に浸透するにつれて英雄的騎士的性格を持ち、愛国的精神をもあらわす様になりました。ショパンの才能は、ポロネーズに音楽史上確固たる意味づけと位置をもたらしました。この<軍隊ポロネーズ>はショパンの16曲のポロネーズの中でも<英雄ポロネーズ>と供に親しまれ、歯切れの良い決然とした力強さを表しています。 |
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♪ ショパン ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35 <葬送> |
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ショパンが29才の時の作品です。第3楽章の葬送行進曲は完成より2年前に書き上げられていて、この行進曲を考慮しながら全体を構成したものと考えられます。それぞれに独立しうる様なはっきりとした個性を持つ4つの楽章であらわされています。 |
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佐藤園子ピアノリサイタル 〜2016〜 2016年10月7日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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<プログラム解説> |
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♪ モーツァルト 「ああ お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲 (きらきら星変奏曲) K.265(300e)Cdur |
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この曲の主題になっているのは、恋人を想う気持ちを娘が母親に打ち明ける内容のフランスのシャンソンで、作者は不詳です。 |
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♪ ショパン マズルカ op.33 Nr.4 hmoll マズルカ op.33 Nr.2 Ddur |
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マズルカはショパンの故郷ポーランドの民族舞曲で、農民たちの踊りから興ったといわれています。 主に三拍子で、第1拍に付点リズムと、3拍目あるいは2拍目にアクセントを置くことが多いのですが、様々な要素がからみ合っています。この舞曲はショパンのデリケートな感性で新たな存在の光が与えられ、情致なピアノ小品として58曲がつくられています。 このop.33は1837年から翌38年にかけて作曲され、もっとも情感にとんでいて、楽曲としてもすぐれているといわれています。 Nr.4はマズルカとしては大規模で叔情的なバラードの様な内容を持っていて、演奏されることも多い作品です。 Nr.2はのびやかな明るさを持ち、歌詞をつけてうたわれていたといわれています。 |
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♪ ショパン ノクターン op.37 Nr.1 gmoll |
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ショパンのロマンティシズムの代名詞として知られる21曲の夜想曲の中で、静かな哀切に満ちた1曲で、コラール風な中間部をはさんでいます。 |
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♪ ショパン バラード 第4番 op.52 fmoll |
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傑作ぞろいのショパンの4曲あるバラードの中でも特にすぐれた内容を持つものとして評価が高いのが、この第4番で、円熟期の作品らしい風格と密度を持っています。 |
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♪ ドビュッシー <子どもの領分>より 「ゴリウォーグのケークウォーク」 |
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ドビュッシーが一人娘エンマの為に書いた、6曲からなる作品の最後の曲。 「ゴリウォーグ」とは黒人の人形。「ケークウォーク」とはアメリカの黒人音楽に基づくダンス>を意味していて、ユーモラスに踊ります。 |
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♪ ドビュッシー <ベルガマスク組曲>より 「月の光」 |
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ドビュッシーの作品の中で、一番広く人々に愛好されている幻想できな曲。 |
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♪ ドビュッシー <版画>より 「雨の庭」 |
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1903年に完成された3曲構成の作品中、最後の曲。デリケートなアルペジオが、庭の木立ちに降りかかる雨を描きます。 古いフランスの民謡「幼な児よ眠れ」「私たちはもう森へは行かない」の2曲が、主題に引用されています。 |
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♪ ガーシュイン ラプソディ・イン・ブルー |
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有名なオーケストラとピアノの為の「ラプソディ・イン・ブルー」のオリジナルソロ版。 ガーシュインはこの「ジャズ語法による狂詩曲」を世に送り出し、クラシック界でも注目される存在となりました。 強いシンコペーションリズム、様々な人種の行きかう都会の雑踏、おなじみのメロディに次いで、アメリカの新天地を思わせる希望的な広がりのあるテーマが表れます。 この曲はアメリカ的な芸術音楽の代表格とされると共に、多くの人々に幅広く親しまれ、愛好されています。 |
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♪ アストル・ピアソラ ブエノスアイレスの夏 |
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アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラの作曲した曲。 |
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佐藤園子ピアノリサイタル 〜2017〜 2017年10月27日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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<プログラム解説> |
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♪ J.S.バッハ/C.グノー 平均律クラヴィーア曲集 第1番 第1巻 <プレリュードとフーガ>より 「プレリュード」 「アヴェ・マリア」 |
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バッハの平均律はクラヴィーア鍵盤の1オクターヴ内の長調・短調、すべての調性によってプレリュード(前奏曲)とフーガを1組とした24曲をまとめた2つの曲集です。ベートーヴェンの32曲のピアノソナタが「新約聖書」と呼ばれるのに対して、平均律クラヴィーア曲集には「旧約聖書」の尊称が与えられています。グノーは宗教音楽を生涯を通じて書き続け、「アヴェ・マリア」と題して、敬愛してやまなかったバッハの1番のプレリュードを伴奏に用いた歌曲をつくりました。G-durに転じて作曲されていますが平均律の1番はC-durから始められています。バロック時代にはそれぞれの調性が持つ独自の個性や情趣が大切にされていて、ハ長調はあらゆることの始まりであり終わりでもある安定と調和を表す調と位置づけられていました。あらゆる作曲家に大きな影響を与えたバッハの音楽ですが、特にショパンは大変熱心に勉強したといわれています。 |
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♪ W.A.モーツァルト ロンド Kv.485 D-durl Kv.511 a-moll |
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「ロンド」とは主題を何度も回帰させ、その間にエピソードとなる副主題をおいて変化を添えた古典音楽の形式です。この曲は右手に軽快で愛らしい旋律が奏され、快活な喜びに満ちています。巧みな転調を重ねながら主題を展開し、華麗なパッセージを挿入してすすんでゆきます。 |
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♪ W.A.モーツァルト ロンド Kv.511 a-moll |
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軽やかで明るい前曲のロンドに対して物思いにふけるような寂しい情感で書かれています。ゆったりとしたシチリアーノ風付点リズムの嘆きではじめられ、半音階進行と細やかな装飾で緊張が高まります。天上的慰みを感じさせるイ長調の後にテーマが再び現れ、コーダで静寂に結ばれます。 |
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♪ L.V.ベートーヴェン ピアノソナタ op.31 d-moll 「テンペスト」 |
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シェイクスピアの戯曲<テンペスト>(嵐)が介在しているという説があり、愛称<テンペスト>の名で知られるようになりました。シェイクスピアによれば、第1楽章はミラノ王とその召使いの(空気の精)との魔術的やりとり。度々出現する分三和音動機は魔法のハープにたとえられています。第2楽章はその王の娘と邪悪な後継王の息子との愛の語らい。第3楽章では魔法で起こされた嵐の情景として解釈されています。激しい感情や強いドラマ性からは人生の嵐を連想させられ3大ソナタと並んで広く愛されています。 |
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♪ F.ショパン エチュード op.10 |
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エチュード(練習曲)とは文字どおり、いろいろな側面での演奏技術を向上させることを目的としたもので、特に19世紀のはじめから中期頃に渡り、技術的な水準向上のための練習曲が洪水のように作曲されました。そういった中でショパンは、練習用という要素とそれを超えた音楽内容をピアノの詩人らしい独特の感性で結びつけています。ショパンのエチュードは、ピアニストに必要な技術を網羅したテキストとして、また独立した1つの芸術作品としても強靭な存在を放つ、ピアノ音楽の傑作とされています。 Nr.1 C-dur Allegro 左手の英雄的オクターヴの響きの上に、右手の急速な分三和音が駆け抜けます。 Nr.2 a-moll Allegro 右手の3-4.5の指で弾く半音階が、内声と左手のリズム上で入り組んだ感情を表現しています。 Nr.3 E-dur Lento ma non troppo 「別れの曲」という愛称でひろく知られています。美しい旋律に内声と左手の柔らかな伴奏が入り、中間部では対照的な性格が現れる形式をとっています。 Nr.4 cis-moll Presto 無窮動風な激しい性格を持つ曲で、前曲との対照を持つ配列になっています。 Nr.5 Gis-dur Vivace 右手が黒鍵ばかりで弾くので「黒鍵のエチュード」と言われています。 Nr.6 es-moll Andante やわらかな情感と巧みな転調で、ものういような憂いをおびています。 Nr.7 C-dur Vivace 右手の3度と6度を交互に弾き、曲想を多彩にしています。 Nr.8 F-dur Allegro 左手が旋律を弾き、右手は広い音域を雄弁に駆け巡ります。 Nr.9 f-moll Allegro molto 分三和音にのって、右手が切なげな旋律を繰り返します。 Nr.10 As-dur Vivace assai 和音・重音をデリケートな感性でメロディックにつなぎあわせて、リズムとアクセントに工夫をこらしてつくられています。 Nr.11 Es-dur Allegretto 左右両手のオクターヴの幅広いアルペジオの連続によって典雅にうたわれています。 Nr.12 c-moll Allegro con fuoco <革命>の名でひろく知られた作品で、左手で上下する音階を奏し、その上に右手のオクターヴ劇場的な旋律を鳴らします。 |
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佐藤園子ピアノリサイタル 〜2018〜 2018年10月12日(金) 新潟市音楽文化会館 |
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<プログラム解説> |
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♪ L.V.ベートーヴェン ソナタ op.27 cis-moll 「月光」 |
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第1楽章 Adagio |
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♪ W.A.モーツァルト ソナタ KV570 B-dur |
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第1楽章 Allegro 主題の発展、冒頭モチーフの多角的発展を内蔵しています。35年で生涯の幕を閉じたモーツァルトは「この世の旅人」といわれ、それは彼の音楽そのもののようでもあります。ピアノ曲では歌唱性に富むイタリア音楽の本質と、人間的感情の入る余地のない、鍵盤音楽特有である音階、アルペジヨ等の技術の機械性、無機質性とが美しい流れの中で融合し、非現実ともいえる宇宙性をつくりだしています。また、音楽に対する基本姿勢は作曲家の代表的分野にも見出されています。モーツァルトのオペラ作品には特にその天才性が放たれていて、ソナタの第1楽章にはオーケストラの様子、第2楽章にはアリア、第3楽章にはフィナーレの情景がたびたび表れてくるといわれます。 第2楽章 Adagio 冒頭の呼びかけはモーツァルト特有の澄み切った雰囲気をたたえています。多声的で、半音階的進行と転調の対照性はオペラの舞台転換や照明変化を思い起こさせます。 第3楽章 Allegretto シンコペーションのリズム、連打音とスタッカートの連続からは楽器を超えたコロラトゥーラの重唱、ソプラノとバリトンの至福の歌が聴こえ、歌唱法の息吹が感じられます。 |
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♪ メンデルスゾーン 「無言歌集」より |
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メンデルスゾーンが旅先から知人たちに送った小品を<歌詞を持たない歌曲集>という原題で49曲にまとめたものと言われています。 |
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♪ リスト 愛の夢 (3つの夜想曲) 第3番l |
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<できる限り愛せ 時はあまりに早く過ぎ行く>によりリスト自作の歌曲を自らピアノ独奏用にパラフレーズしたものです。ショパンの死の翌年に作曲され、追悼の気持ちで《3つの夜想曲》という表題をつけたともいわれています。 |
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♪ リスト コンソレーション (慰め) 第3番 |
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技巧的難曲を数多く作曲したリストですが、その華麗な技巧のほとんどが前面に出ていない秘やかな叙情詩的小品です。 |
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♪ リスト <パガニーニによる大練習曲>より 「ラ・カンパネラ」 |
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20才の時パリでヴァイオリニストで作曲家でもあったパガニーニの演奏を聴いたリストは、その超人的技巧と表現力に圧倒され「私はピアノのパガニーニになる」と言ったと伝えられます。後、ピアノの超人的名手となり数々の難曲をつくるようになりましたが、パガニーニのヴァイオリン曲を編曲し、<パガニーニによる大練習曲>として6曲出版しています。その中でもラ・カンパネラは鐘の音を模倣した手主題の変奏が、ピアノの響きによって一層ブリリアントで演奏効果の高いものとなりました。 |
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♪ リスト <3つの演奏会用練習曲>より 「ため息」 |
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<演奏会用練習曲>も演奏技巧練磨の練習曲に止まらず、リスト独自の音楽表現がフルに盛り込まれた芸術作品です。この「ため息」は3曲中最も演奏される機会は多く、繊細なアルペジヨを縫って、印象的な主題旋律が左右の手の交差をしながら浮き上がります。 |
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♪ リスト ハンガリー狂詩曲 第2番 |
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リストが生まれたのはオーストリアの国境に近いハンガリーのライディングという小さな村で、彼は子供の頃からハンガリー・ジプシーの音楽に興味を持っていました。ハンガリー・ジプシーの代表的なものは<チャルダーシュ>といわれる舞曲で、<ラッサン>という荘重な部分と<フリスカ>という激しいリズムの急速な部分から出来ていて、ラッサンはハンガリー人特有の哀愁を、フリスカは情熱を表すものとされています。リストの19曲のハンガリー狂詩曲はこの形式を使われているものが多く、その中でもこの第2番は最も人気の高い作品です。曲は序奏に続いてラッサン、さらにヴィヴァーチェのフリスカへと、華麗でめまぐるしい変転をしてゆきます |
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